NFTなどでイーサリアムを利用する際にかかるガス代が高すぎて、嫌になるときがありますよね。
手軽に安いNFTを購入しようとしても、ガス代が高すぎて購入したNFTよりもガス代が高くつくことがざらにあります。
ある日、OpenSeaでNFTを出品すると
37Gwei × 400,000 Gas Limit = 4884円のガス代がかかりました。
この計算方法などを後ほど詳しく解説させて頂きます。
NFTを購入する時など、ガス代をしぶしぶ払うしかないですがそもそもガス代の相場はいくらなのでしょうか?
また、少しでもガス代を安く抑えるために、ガス代が安い時間帯を狙って、それを活用するのもよい節約術でしょう。
イーサリアムのガス代が高すぎる
そもそもイーサリアムのガス代の相場はいくら?
イーサリアムのガス代の相場はいくらなのでしょうか。
ガス代の相場を理解するには、まずはイーサリアムのガス代がどのようにして算出されるのかを知っておく必要があります。
イーサリアムのガス代の計算は、
ガス価格(Gwei)×ガスリミット(Gas Limit)
で行えます。
Gweiやガスリミットといった聞きなれない単語が出てくるので、ひとつずつ解説します。
ガス価格(Gwei)とは
ガス価格(Gwei)とは、1イーサリアムの10億分の1を示す単位のことです。
2022年3月17日時点で1イーサリアムが330,000円なのでこの場合は、
1Gwei = 330,000 × 0.000 000 001 = 0.00033円
となります。
このガス価格Gweiが変動することでその時のガス代も変動します。
イーサリアムの取引が活発に行われていれば取引の際に70Gewiが必要になったり,比較的余裕のある取引が行われていれば必要なガス価格が20Gweiを下回ることもあります。
ガス価格Gweiの現在の値段は、Ethereum Gas Price Chartというサイトで随時チャート式で更新されており確認することができます。

また、ETH GAS STATIONでもガス価格Gweiの相場を随時更新しています。

早い取引(41Gwei)、普通の取引(28Gwei)、ゆっくりな取引(24.6Gwei)の3つのガス価格Gweiが表示されています。
急ぎでなければ、今回では一番右側の24.6Gweiを目安にガス価格Gweiを設定しましょう。
ガスリミット(Gas Limit)とは
ガスリミット(Gas Limit)とは、取引で消費される最大のガス価格(取引手数料の上限)を指します。
ガスリミットがあることで、取引手数料が青天井になることを防ぐ役割があります。
このガスリミットですが、複雑な処理になればなるほど高くなります。
たとえば、イーサリアムを単純に送付するだけであれば、必要なガスリミットの相場は65,000程度ですがOpenSeaでNFTを購入する際には500,000以上が相場になることがあります。
また、ガスリミットは自分でいくら払うかを設定することができ、ガスリミットを必要以上に多く支払えば処理速度が上がる一方、ガスリミットを相場よりも低く設定すると処理速度が遅くなり、低く設定しすぎると取引が不成立になることがあります。
イーサリアムのガス代を少しでも安くする方法
NFTをひとつ購入するだけでもガス代が5000円かかったり、送付するだけでもガス代が800円かかるなど、何かと手数料がかかってしまうイーサリアムですが、
ここでは少しでもイーサリアムのガス代を安くする方法を紹介します。
ガス価格(Gwei)が安い時間帯を狙う
上記で紹介したEthereum Gas Price Chartと似ているのですが、ethereumpriceというサイトでもガス代をチャートでリアルタイムで見ることができます。
Ethereum Gas Price Chartと違うところは、曜日時間帯によっていつガス価格Gweiが高騰しているかを表で表してくれているところです。
ethereumpriceによると、ガス価格Gweiが高騰するのは以下のようになっています。

①深夜から昼前にかけて、ガス価格Gweiは高くなりやすい
②土曜日・日曜日はガス価格Gweiが比較的安く安定している
③14時~20時くらいがガス代が安い時間帯
深夜から昼前は、アメリカの夕方ぐらいでヨーロッパでは夜から朝にあたります。そのためイーサリアムを使った取引が増えるため、日本のこの時間帯にガス価格Gweiが高くなりやすいようです。
もちろん上記に挙げた3つは傾向としてはありますが、突発的にガス価格Gweiが高騰することもあるのでイーサリアムの取引を行う際は必ずガス価格Gweiの現在の相場を調べてから取引をしましょう。
処理速度を低速にしてガス代を節約する
上記で見たように、処理速度によってガス価格Gweiも変わります。
特に急ぎでないなら、処理速度を低速にしてガス代を節約することができます。
下記はOpenSeaのMetaMaskの画像ですが、処理速度を変更することで500円ほどガス代が変わることもあります。

ガス代はすぐに変動するので、安くなるのを待ってみる
たまたまその一瞬が非常にイーサリアムの取引量が多くガス代が高騰している場合があります。
10秒待っただけで1000円安くなることがざらにあります。
そのため急ぎではない場合、少し様子見をしましょう。
ガス価格Gweiとガスリミットを調整する
OpenSeaなどでNFTを購入/売却する際などに提示されるガス価格Gweiとガスリミットを自分で調整することでガス代を安くすることができます。
MetaMaskを使った際の例を画像つきで見てみましょう。

このガス限度額(ガスリミットのこと)と最大手数料(GWEI)を下げることで、ガス代を安くすることができます。
最大手数料(GWEI)は、下げすぎるとエラーが出て進めなくなります。
また、ガス限度額(ガスリミット)は最大210000まで下げることができますが、こちらも下げすぎるとあまりに取引の成立が遅くなってしまったり、最悪の場合取引不成立となってしまいます。
そのため、ガス価格GweiはETH GAS STATIONを確認し調整して、ガスリミットは少し下げる程度か何もしないのが良いでしょう。
最大優先手数料はマイナーに払われる報酬で、ここを高く設定すれば優先的に取引が処理されるようになります。
少し下げるか、何もしないかにしておきましょう。
それでもイーサリアムのガス代は高すぎる。ガス代が安くなる日は来るのか
上記で紹介した方法でガス代を安くしても、高い取引手数料がかかってしまう現状があります。
世界最大のNFTマーケットプレイスOpenSeaもイーサリアムのガス代高騰に悩んでおり、Polygon(ポリゴン)という仮想通貨を普及させてガス代を安くしようと取り組んでいますが、あまり浸透していないのが現状です。
ガス代が高い要因として、現在のイーサリアムが1秒間に約15件の取引(トランザクション)しかサポートすることができず、それが取引の遅延や混雑につながってガス代の高騰につながってしまっています。これをスケーラビリティ問題といいます。
しかし、イーサリアムは大型アップデートを行っており、イーサリアム2.0へと進化している最中です。
イーサリアム2.0では1秒間に最大10万件の取引(トランザクション)を処理することができるようになると言われており、スケーラビリティ問題解決につながりそうです。
現在のイーサリアムのガス代は、開発チームですら好ましくないと言っており、イーサリアムの最大の問題です。
しかし、アップデートが徐々に行われていき、最終的にはガス代が安くなり、利便性が高まってイーサリアムの価値がさらに上がることが期待できます。
つまり、ガス代が高いという問題は、時間と共に解決されて、将来的に安くなる可能性が高いでしょう。
今は必要経費としてある程度のガス代は割り切っておくことが仮想通貨に触れる上で大事なことだと思います。
こんなにガス代が高いのに、NFT市場が盛り上がりを見せているということは、これからガス代が安くなっていけばさらなる市場規模拡大が期待できるでしょう。
そういう観点でも、イーサリアムの将来性は大きいと言えるでしょう。